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むかしからおれとこの人とは仲よしだつた――それは押しかくすことのできない悦ばしさだつた。
答へながら、他人ごとのやうにずばずば何でも話してしまふ喜作の飾り気のなさに、驚いていた。
と、房一は机の上に虫の卵の形を書いてみせた。
「や、さあお上り下さい。さあ――」
だが、今日は徳次の方でめづらしく今泉の近づいて来るのを待つていた。といふのは、今泉の方でも遠くから徳次を見つけるや否や、声にこそ出さなかつたが、何か話すことがありさうな様子で、急ぎ足になつたからである。
「さうなんですよ。ですが、よく考へたもんだと思ひましたね、足もとから鳥が立つ、といふでせう、――あれとそつくりにね、かうひよいとカワラケがとび出すんですよ」
庄谷はほんのしるしだけにちよつと頭を動かしたが、やつと相手が誰だか思ひ出したらしく、その細い眼が急に徴笑した。
ときは房一を見ると、殆どすがりつきさうになつた。そして、口をひきつらせ、上半身を揉むやうにして訴へかけた。
「どうぞ」
小谷は房一に話しかけた。
「や、これは。高間さんですか。お久しぶりで」――「お忙しいですか」
「どうですか、掛りさうかね」
「どういふことです、わたしにはさつぱり――」